概要
「事例紹介」の「胃腸の問題」ページにも書いた通り、胃腸の問題に対する施術は、シンプルに「お腹を柔らかくする」ことです。
しかし、具体的にどのような組織にアプローチして、どのような効果を狙うのか、このページで解説していきます。
施術によって緩めるポイントは、おおまかに3つに分類できます。
それぞれ解説していきます。
(*「胃腸の問題」の施術例を確認したい方は这样(靠近扬声器或朝向扬声器的方向))
①臓器を支える結合組織(腹膜や間膜、内臓支持靭帯など)
臓器周囲の”環境”を緩めていきます。臓器自体ではなく周囲環境になりますが、手技においてはむしろここが一番重要です。
なぜなら、この膜や靭帯の間を、血管・リンパなどの栄養・排泄の管が通っているからです。
硬くなって流れが滞ると状態が悪くなり、柔らかくなって流れがスムーズになると臓器がうまく機能しやすくなると考えることができます。
一例を挙げると、以下の図に胃袋の後ろ(十二指腸の入口)から肝臓に向かう赤青緑の3本の管を包む膜があります。
これは肝十二指腸間膜と言って、ここには総肝動脈・門脈・総胆管と非常に重要な管が3本入っており、施術箇所としても頻出する場所です。
なお、総肝動脈は肝臓を栄養する血管、門脈は胃腸で消化吸収したものを肝臓に運ぶ血管、総胆管は胆汁を十二指腸へ運ぶ管です。

<The image from ”https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hepatoduodenal_ligament_EN.svg”>
また、もう一つポイントを挙げると、以下の図で小腸をぶら下げている黄色の膜が確認できますでしょうか。
腸間膜という膜です。ここには小腸(空腸・回腸)を出入りする血管が通っています。
この腸間膜を支えている斜めのライン(右下腹部から左上腹部へ向かう)を腸間膜根と言い、ここは右足から左肩へ流れる緊張のラインにもなっており、全身の緊張の繋がりを診る上でも非常に重要なポイントです。

<The image from “https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mesentery_extending_from_the_duodenojejunal_flexure_to_the_ileocecal_junction..jpg ”>
さらにもう一つポイントを挙げると、以下の画像に直腸を支える靭帯が載っています。
これはお腹を輪切りにした図で、上から骨盤内を見る視点です。
図の下部から直腸・子宮頚部・膀胱と臓器が三つ並んでいます。
この直腸を支える靭帯は、仙骨に繋がっていて、仙骨の緊張とも相互的に関係しています。
ここも非常に重要なポイントで、施術において比較的頻出箇所です。
このポイントは骨盤内にあり、直接触れることはできませんので、仙骨から焦点を合わせて緩めていきます。

<『プロメテウス解剖学アトラス 胸部/腹部・骨盤部 第3版』より>
②内臓それ自体(胃袋や小腸・大腸など)
主に胃や腸が対象になります。
問題がある場合(硬くなっている場合)は、オステオパシーの膜触診の技術で捉えることができます。
胃袋を調整することが最も多く、小腸や大腸が対象になることもあります。腸管の多くの場所は触診も調整も可能です。直腸などは直接触れませんので、膜を辿っていくことで焦点を合わせて緩めていきます。

<The image from “https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sobo_1906_370.png”>
下の図は、回盲弁と盲腸(大腸の入口・右下腹)を示しています。
胃腸の出入口も緊張が集まりやすく、施術箇所として出てくることが多いです。
このエリアは、この回盲弁に加え、ここから繋がる虫垂間膜、そして上の方でも示した腸間膜にも繋がるポイントで、比較的緊張が集まりやすいエリアです。

<The image from “https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gray1075.png”>
③臓器を出入りする血管
①の結合組織と重なる部分もありますが、動脈沿いに緊張が現れるケースがあり、動脈を狙って緊張をリリースすることがあります。
例えば、胃や肝臓へ分かれる腹腔動脈と呼ばれる場所などは、施術箇所として出てくることが多いです。
また、不調の臓器の機能を最大化するために、静脈の走行上に緊張がないか確認して調整する場合もあります。

<The image from “https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gray532.png”>

<The image from ”https://es.m.wikipedia.org/wiki/Archivo:Superior_mesenteric_a.gif”>
いずれのポイントを施術する際も、施術は非常にソフトで、手のひらや指を柔らかく置く程度の圧力で緩めていきます。
力任せに押したり引いたりといった、臓器や血管を傷つける可能性がある手技は使いません。
施術の方法・技術および考え方は这样(靠近扬声器或朝向扬声器的方向)を参考にしていただければと思います。
「胃腸の問題」に関する施術例を確認したい方は、以下をご覧ください。
京都整骨疗法
谷川清泰
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